自宅に眠っている古い切手が、実は高額で取引されている可能性があります。とくに昭和時代に発行された記念切手や発行枚数の少ない希少切手は、額面を大きく上回る価格で売買されているのです。本記事では、高値で取引される日本切手と外国切手の具体例を紹介し、さらに切手を高く売るためのコツについて詳しく解説します。
高く売れやすい日本切手一覧
切手には歴史的価値やデザインの美しさ、希少性などに応じて高額で取引されるものがあります。ここでは、とくに収集家や市場で注目されやすい日本の切手を年代別に紹介します。日本最初の切手:竜文切手
1871年に発行された竜文切手は、日本最初の切手として歴史的価値が高く、48文、100文、200文、500文の4種類が存在し、とくに500文は数百万円で取引されることもあります。初の記念切手:明治銀婚記念切手
1894年発行の明治銀婚記念切手は明治天皇の銀婚式を記念した日本初の記念切手として、2銭と5銭の2種類が発行されました。美品であれば10万円以上の値がつくこともあります。戦前の注目切手
戦前の切手では、1916年発行の10銭桜切手が注目されています。裏糊なしの初期版はとくに希少で、5万円から10万円程度で取引されます。また、1940年の紀元2600年記念切手も人気が高く、4種セットで1万円前後の価格がつくことが多いです。戦後の人気切手
戦後の切手では、見返り美人切手と月に雁切手が双璧をなしています。1948年発行の見返り美人は5円切手ながら、シート状態では3万円以上、月に雁も同様の価格帯で取引されます。これらは切手趣味週間の記念切手として発行され、浮世絵を題材にした美しいデザインが特徴です。産業図案切手シリーズ
1949年から1952年にかけて発行された産業図案切手シリーズも収集家に人気があります。とくに500円の機関車図案は、単片でも1万円以上の価値があります。エラー切手の高額取引
エラー切手も高額取引の対象となります。印刷ミスや目打ちのズレ、色の違いなど、正規品と異なる特徴をもつ切手は、その希少性から通常の数倍から数十倍の価格で取引されることもあります。1956年の東海道電化完成記念切手の逆刷りエラーは、100万円以上で取引された例もあります。高く売れやすい外国切手一覧
外国切手の中にも、日本国内で高値取引される種類が多数存在します。ここでは、収集家の間で注目されやすい切手を紹介します。イギリスの有名切手
もっとも有名なのは、世界最初の切手として知られる1840年発行のイギリス・ペニーブラックです。使用済みでも数万円、未使用の美品なら10万円以上で取引されることもあります。続いて1841年に発行されたペニーレッドも、初期版は高い価値をもっています。アメリカの希少切手
アメリカ切手では、1918年発行の逆さまジェニーが世界的に有名で、航空機が逆さまに印刷されたエラー切手として、1枚数億円で取引された記録があります。通常のアメリカ切手でも、1893年のコロンブス博覧会記念切手シリーズは、全16種揃いで10万円以上の価値があります。中国切手の高額例
中国切手はとくに注目度が高く、文化大革命時代の切手は軒並み高値で取引されています。1968年発行の全国の山河は赤一色は、発行直後に回収されたため現存数が極めて少なく、1枚1,000万円以上で取引されることもあります。また、1980年発行の赤猿切手も人気が高く、シート状態では50万円以上の価格がつきます。
ヨーロッパの希少切手
ヨーロッパでは、ドイツの1851年発行バイエルン1クロイツァー黒が希少価値をもちます。ドイツ最初の切手として歴史的価値があり、未使用品は20万円以上で取引されています。フランスの1849年発行セレス切手シリーズも収集家に人気で、とくに1フラン朱色は10万円前後の価値があります。オセアニア地域の高額切手
オセアニア地域では、ハワイ王国時代の切手が高額で取引されます。1851年発行のミッショナリー切手は、宣教師が使用したことからこの名がつき、現存数が少ないため100万円以上の価値があります。そのほかの高値切手
そのほかにも、各国の建国記念や王室関連の記念切手、オリンピックなどの国際イベント記念切手も、発行枚数や保存状態により高値がつくことがあります。外国切手の価値判断には専門知識が必要ですが、適切に評価されれば思わぬ高値になる可能性があります。切手を高く売るコツとは
切手をより高く売るためには、いくつかコツがあります。ここでは、切手を適正価格で売却するための基本ポイントをまとめました。切手の保存状態を良好に保つ
切手を高く売るためには、まず保存状態が重要です。湿気や直射日光を避け、専用のストックブックやマウントを使用して保管します。とくに糊付き切手は、糊の状態が価格に大きく影響するため、ヒンジ跡がないことが重要です。また、切手の四隅が欠けていないか、目打ちが完全であるかも査定のポイントとなります。切手の整理と分類
切手を整理する際は、国別、年代別、種類別に分けると査定がスムーズです。発行年や額面、枚数をリスト化しておくとさらに効果的です。シート状態の切手は切り離さず保管し、記念切手の場合は発行時の説明書や初日カバーを一緒に保管すると付加価値が評価されやすくなります。売却先の選定
切手専門の買取業者は、一般的な買取店よりも適正な評価をしてくれる可能性が高いです。複数の業者に査定を依頼し、価格を比較することも大切です。オンライン査定を活用すれば、手軽に相見積もりが取れます。また、オークションサイトや切手市場での相場を事前に調べておくと、適正価格の判断材料になります。
