昨今のリユース市場では、未使用の切手だけでなく、使用済み切手の取引にも注目が集まっています。不要になった切手でも思わぬ価値が見つかるケースがあり、買取を検討する人が増えているのです。そこで、今回は使用済み切手の買取事情や価値のある切手の特徴について解説します。
使用済み切手でも買取は可能
使用済みの切手は、一見すると価値がないように感じられるでしょう。しかし、実際にはコレクター市場で需要があるため、買取が可能です。切手はただの郵便料金の証明ではなく、国や地域の歴史、文化を映し出す小さな芸術作品とも呼ばれています。郵便料金以外の価値があるため、消印が押されていても希少価値が認められれば、高額で取引される場合があります。高額査定が期待できる切手の例
とくに、戦前や戦後直後の切手、記念切手、あるいは発行枚数が少ない特殊な切手は、使用済みであっても評価の対象です。たとえば、見返り美人や月に雁といった戦後の有名切手は、未使用ほどではないものの使用済みでも査定対象になります。海外の切手コレクターからの需要もあるため、国内に限らず国際的な視点で価値が認められるケースも多いといえるでしょう。買取が難しい切手とその扱い方
一方で、日常的に使われる普通切手や発行枚数の多い一般的な記念切手は、使用済みである場合ほとんど価値がつかないこともあります。ただし、複数をまとめて束や袋単位で査定に出すと、テーマ収集をしている業者に需要がある可能性もあります。使用済み切手でも、捨ててしまう前に専門業者に相談することで、思わぬ収入につながる可能性があるのです。
使用済み切手の買取が可能なワケ
では、なぜ使用済み切手が買取対象になるのでしょうか。ここで解説します。消印に宿る価値
理由のひとつに、消印の価値があります。消印は切手が実際に使われた証拠であり、特定の時代や地域を示すものです。なかには、イベント時にだけ使用された特別な消印や現在では廃止された郵便局の印などがあり、コレクターからの需要が高いケースもあります。デザインと保存状態の重要性
また、切手自体のデザインや保存状態によっても価値は左右されます。たとえ消印が濃く押されていても、図柄がしっかり残っていれば評価されやすくなるでしょう。破れや汚れがひどい場合は減点対象となるため、切手の扱いには注意が必要です。水剥がしでの保管方法
切手を剥がす際に無理に台紙から剥がすと傷みやすいため、水剥がしという方法がおすすめです。まず切手は周囲に余白を残してハサミで切り取り、大きめの器にぬるま湯を張ります。ぬるま湯に切り取った切手を浮かべると、時間とともに台紙から自然に剥がれていきます。消印がにじんだり消えたりしないように、切手の表面を濡らさないよう注意しましょう。テーマ別コレクションの需要
さらに、使用済み切手のテーマ別コレクションとしての需要も理由のひとつです。たとえば、オリンピック関連の切手、動物や花を描いた切手、航空郵便に使われた切手など、特定のテーマで集めるコレクターが存在します。数十枚の切手をまとめてひとつのシリーズとして出すと、単品では値がつきにくいものでも評価が高まる可能性があります。コレクターの需要があるからこそ、使用済みであっても市場価値が生まれるのです。
